3月14日にプエブラで開催される、AAAの年間最大のトーナメント「レイ・デ・レジェス(Rey de Reyes)」。そのメインを飾るのが、AAAメガ王座のタイトルマッチです。
先日、王者ドミニク・ミステリオと挑戦者イホ・デル・ビキンゴの調印式が放送されたのですが、これがかなりの熱を帯びたやり取りになっていました。今回は、二人の間でどんな激しい言葉が交わされたのか、その内容を詳しくお伝えしようと思います。今回もよろしくお願いします。
文章:るちゃ男yAI記者GEMINI
ドミニク:「いいか、俺はこの先もずっと、長期間AAAのメガチャンピオンであり続ける。お前が持っていた最長保持記録なんて、俺が塗り替えてやるよ。
人々がこのベルトを見た時、思い浮かべる名前はただ一つ……『ルチャリブレの王』、このドミニク・ミステリオの名だ。……だがビキンゴ、お前はまるでゴキブリだな。しぶとくて、なかなか死にやしない。
だから、俺がまたお前を倒した時には、お前は二度とこのメガ王座に挑戦できなくしてやる。半年後も、1年後も、永遠にな。 俺が王者である限り、お前にチャンスは二度と来ない。よく覚えておけ。」
ビキンゴ:「……よく聞け。俺に必要なのは、たった一回の、たった一度のチャンスだけだ。いいか、よく聞けよ、カブロン(クソ野郎)。
チャンスは一度で十分だ。俺のホームであるプエブラでお前を叩きのめし、最高の屈辱を味わわせてやる。お前に勝つのは、この俺だ!
俺が勝った時の条件はこうだ。お前はメキシコを去れ。そして、AAAから永遠に消え失せろ! それから、もう一つ教えてやる。この『レイ・デ・レイエス』での試合は、NODQマッチ(反則なし)で行う。覚悟しておけ!」
【AAA】至宝奪還か、永久追放か。ビキンゴとドミニク、運命の調印式
調印式で挑戦者のビキンゴは、煮え切らない態度の王者ドミニクに対し、過酷な条件を突きつけました。
「お前が負けたら、この国(メキシコ)を去れ。二度とAAAのリングには上がらせない」
ビキンゴの言葉には、外敵としてやりたい放題のドミニクに対する強い怒りが込められていました。さらに注目すべきは、ビキンゴ自ら指定した「ノー・ディスクオリフィケーション(No DQ)」というルールです。
今のビキンゴには「El Ojo(エル・オホ)」の面々という心強い味方が控えています。一方、ドミニク側はまだエル・グランデ・アメリカーノくらいしか目立った加勢がありません。つまり、このルールを選んだのは、仲間を自由に介入させてドミニクを「数の力」で確実に仕留めるための、ビキンゴ側の極めて有利な計算があってのことではないでしょうか。ドミニクを完全に袋叩きにしてでも追い出すという、ビキンゴの冷徹な戦略が透けて見えます。
ドミニクが漂わせる「絶望の再挑戦禁止」
一方、王者ドミニク・ミステリオの態度はどこまでも不遜です。
ビキンゴの「追放」という要求をせせら笑うかのように契約書にサインしたドミニクですが、その口から漏れた言葉は、ビキンゴにとって追放以上に残酷な「終わり」を予感させるものでした。
ドミニクは明確な契約条項として明文化したわけではありませんが、「俺が勝てば、お前の挑戦はこれが最後だ」「二度と俺の前に立つ機会はないと思え」といった、事実上の「タイトル再挑戦禁止」を強く匂わせるコメントを放っています。
これは、世界最大の団体WWEでトップを走るスーパースターとしての、圧倒的な「格の違い」を見せつけるような態度です。ドミニクにとって、ビキンゴは何度もチャンスを与えてやるような対等な相手ではなく、一度退ければそれまで。「そう簡単に俺に何度も挑戦できると思うなよ」という冷笑的な突き放しが、あの調印式での振る舞いからも透けて見えました。もしビキンゴが敗れれば、彼はベルト奪還の道を閉ざされるだけでなく、ドミニクの「格下」としてキャリアに大きな傷を負わされることになるでしょう。
結末の予想がつかない、勝者は?!
調印式の最後には、ドミニクの援軍としてエル・グランデ・アメリカ-ノが乱入するなど、早くも「No DQマッチ」の混沌を予感させる大荒れの幕切れとなりました。
・ビキンゴが勝てば: AAAの至宝を奪還し、忌々しい外敵ドミニクをメキシコから永久追放。
・ドミニクが勝てば: 王座防衛。そしてビキンゴに「再挑戦不可」という呪縛をかけ、キャリアを停滞させる。
3月14日、プエブラの地で鳴り響くのは、王者の勝ち誇る笑い声か、それとも救世主ビキンゴの雄叫びか。私たちは、歴史的な「終わりの始まり」を目撃することになるかもしれません。
終わりに
今回のメガ王座戦を語る上で見逃せないのが、会場を支配する「ドミニク人気」です。
本来、外敵であるはずのドミニク・ミステリオですが、ここメキシコAAAでの人気は絶大。対するビキンゴは、かつての絶対的テクニコとしての支持が嘘のように、現在はルードとして激しいブーイングの雨を浴びています。この「主客転倒」の構図こそが、今のAAAが持つ予測不能な面白さの核心です。
ここで浮上するのが、「AAAはこれほどの人気選手であるドミニクを、本当に国外追放できるのか?」という現実的な疑問です。
普通に考えれば、人気のスター選手を手放す選択はあり得ません。しかし、AAAの背後にいるのは「想定外」を日常に変えてしまう世界最大の団体・WWE。ビジネスの枠を超えた驚愕のエンディングを用意していても不思議ではないのが、この両団体の恐ろしいところです。
そして、勝負の行方を左右するのはタイトルマッチにも関わらず採用された「No DQ(反則なし)」ルール。 純粋なルチャリブレの技量ではビキンゴに軍配が上がるかもしれませんが、何でもありの混沌とした状況こそ、ドミニクの真骨頂。セコンドの介入、凶器の使用……この無法地帯が、王座の移動だけでなく「追放劇」という名の衝撃的なドラマを引き寄せる鍵となるでしょう。


